NSX-T 2.5 の Simplified UI で、NSX-T のラボ環境を作成します。

今回は、オーバーレイ セグメントで DHCP サーバを利用できるようにします。

 

一連の投稿の出だしはこちら。

自宅ラボで NSX-T 2.5 環境を構築する。Simplified UI 編。Part.1

 

前回の投稿はこちら。

自宅ラボで NSX-T 2.5 環境を構築する。Simplified UI 編。Part.6

 

今回の DHCP サービスの構成。

NSX-T の従来の「ネットワークとセキュリティの詳細設定」画面から

オーバーレイ ネットワークに DHCP サーバを用意する場合、

論理スイッチ(セグメント)ごとに DHCP サーバを作成していました。

 

一方、Policy API では、 DHCP サーバを Tier-1 ゲートウェイごとに作成して、

各オーバーレイ セグメントでは DHCP リレーで利用します。

nsxt25-dhcp-sv-01.png

 

DHCP サーバの追加。

まず、DHCP サーバを追加(作成)します。

NSX-T の Manager で「ネットワーク」→「DHCP」を開き、「サーバを追加」をクリックします。

nsxt-dhcp-01.png

 

DHCP サーバのパラメータを入力して「保存」をクリックします。

  • サーバ タイプ: 「DHCP サーバ」を選択。
  • サーバ名: DHCP サーバに設定する名前「dhcp-sv-01」を入力。
  • サーバの IP アドレス: 「IP アドレス/サブネットマスクの長さ」を入力する。
    このアドレスは NSX-T のオーバーレイ ネットワークなどで使用中のネットワークと重ならないようにする必要があり、
    ここでは「172.16.254.254/24」としている。
  • Edge クラスタ: 作成ずみの Edge クラスタ「edge-cluster-01」を選択する。

nsxt-dhcp-02.png

 

DHCP サーバが作成されました。

nsxt-dhcp-03.png

 

Tier-1 ゲートウェイへの DHCP サーバ接続。

作成した DHCP サーバを、オーバーレイ セグメントを接続している Tier-1 ゲートウェイに接続します。

「ネットワーク」→「Tier-1 ゲートウェイ」で、以前に作成した Tier-1 ゲートウェイ「t1-gw-01」を表示すると、

まだ「IP アドレス管理」が「未設定」になっています。

nsxt-dhcp-04.png

 

Tier-1 ゲートウェイの「編集」をクリックします。

nsxt-dhcp-05.png

 

「IP アドレス管理」の隣にある「IP を割り当てない設定」リンクをクリックします。

nsxt-dhcp-06.png

 

「IP アドレス管理の設定」画面で、パラメータを入力して「保存」をクリックします。

  • タイプ: 「DHCP ローカル サーバ」を選択。
  • DHCP サーバ: 直前に作成した「dhcp-sv-01」を選択。

nsxt-dhcp-08.png

 

「IP アドレス管理」が「ローカル | サーバ」になったことを確認して、「保存」をクリックします。

nsxt-dhcp-09.png

 

Tier-1 ゲートウェイの設定画面は「編集の終了」をクリックして閉じます。

nsxt-dhcp-10.png

 

オーバーレイ セグメントでの DHCP 範囲の設定。

オーバーレイ セグメントで DHCP リレーを構成する必要がありますが、

これは「DHCP リレー」のような設定画面はありません。

かわりに、セグメントの「サブネット」で、「DHCP 範囲」を設定します。

 

「ネットワーク」→「セグメント」→「セグメント」タブを開くと、

以前に作成したオーバーレイ セグメント「seg-overlay-01」があるので、

このセグメントで DHCP を利用できるようにします。

nsxt-dhcp-11.png

 

セグメントの「編集」をクリックします。

nsxt-dhcp-12.png

 

セグメントが編集可能な状態になるので、サブネット(の数)のリンクをクリックします。

nsxt-dhcp-13.png

 

「サブネットの設定」画面が開くので、「編集」をクリックします。

nsxt-dhcp-16.png

 

空欄になっていた「DHCP 範囲」に、IP アドレスの範囲を入力して、「追加」をクリックします。

これは入力済みの「ゲートウェイ」と合わせる必要があります。

例では、ゲートウェイが 17.16.1.1/24 と入力ずみなので、

そのネットワーク アドレス内でゲートウェイアドレスと重複しないように

「172.16.1.10-172.16.1.250」と入力しています。

nsxt-dhcp-17.png

 

DHCP 範囲が表示されたことを確認して、「適用」をクリックします。

ちなみに、セグメントに「DHCP 範囲」を設定すると UI から削除することはできず、

セグメントで DHCP 使用をやめる場合には、セグメント自体をいったん削除することになります。

nsxt-dhcp-18.png

 

「保存」をクリックします。

nsxt-dhcp-19.png

 

「編集を終了」をクリックして、画面を閉じます。

nsxt-dhcp-20.png

 

ゲスト OS でのネットワーク アドレス取得。

オーバーレイ セグメント「seg-overlay-01」を割り当てている仮想マシンでは、

ゲスト OS のネットワーク設定で DHCP を利用するようにしてあります。

 

ゲスト OS でネットワークを再起動すると、

「DHCP 範囲」で設定した範囲から、IP アドレス(172.16.1.10/24)が設定されます。

そして、デフォルト ゲートウェイには、オーバーレイ セグメントで指定した

ゲートウェイ アドレス(172.16.1.1)が設定されます。

ちなみに、例として使用しているゲスト OS は、VMware Photon OS 3.0 なので、

「systemctl restart systemd-networkd」コマンドでネットワークを再起動しています。

nsxt-dhcp-21.png

 

今回の手順については、製品ドキュメントでは下記のあたりが参考になります。

Add a DHCP Server

 

ちなみに、今回作成した DHCP サーバの仕組みについては、

下記の投稿(2つ目の DHCP 利用セグメント追加)の最後でも紹介しています。

自宅ラボで NSX-T 2.5 環境を構築する。Simplified UI 編。Part.9

 

つづく。

自宅ラボで NSX-T 2.5 環境を構築する。Simplified UI 編。Part.8