これまで、ESXi や vCenter Server に接続するときに愛用されている

Windows アプリケーションの vSphere Client (C# Client と呼ばれたりすることもある)は、

今後の vSphere では本当に提供されないそうです。

Goodbye vSphere Client for Windows (C#) – Hello HTML5 - VMware vSphere Blog

 

vSphere Client は、現在の最新版 vSphere 6.0 以降はなくなります。

ただ、すでに vSphere 5.1 以降は、vSphere Web Client が推奨となり、

vSphere 5.1 以降の vCenter や ESXi の新機能は、基本的に Web Client からしか使用できません。

 

ここで、日常的に vSphere にアクセスしている人ばかりではないと思うので、

現行の最新バージョン vSphere 6.0 で使用できる GUI をまとめておこうと思います。

現状で vCenter と ESXi の操作で使用される GUI は下記の4つです。

  • vSphere Client
  • vSphere Web Client
  • VMware Host Client (ESXi Embedded Host Client)
  • vSphere HTML5 Web Client ※ただし正式サポートはまだ。

 

それぞれ、下記のような感じでアクセスします。

vsphere60-gui.png

仮想アプライアンスの管理画面、SSH、PowerCLI など CLI からのアクセスは省略しています。

 

 

vSphere Client

 

Windows にインストールして使用する、クライアントアプリケーションです。

ESXi と vCenter どちらにも接続できます。

 

このアイコンから起動するソフトウェアです。

vsphere-client-01.png

 

ログイン画面です。説明では「vSphere 5.5 以降で導入された~」 とありますが、

vSphere 5.1 以降の新機能でも、基本的に vSphere Client では使用できません。

vsphere-client-02.png

 

vSphere Client は、ログインするとこのような画面になります。

vsphere-client-03.png

 

vSphere Web Client

 

vSphere 5.1 から提供されるようになった Web UI です。

vCenter に接続でき、ESXi には接続できません。

この Web Client では、Adobe Flash Player が必要です。


Next Generation Client (NGC) と呼ばれたりもします。

これ以前にも Web UI は提供されていましたが、それとは別物です。

 

vSphere 5.1 以降の新機能は、この Web Client からのみ使用可能です。

※たとえば、Cross Host Storage vMotion、Tag、VSAN、コンテンツライブラリなど。

 

Web ブラウザからアクセスします。

ログイン画面は、vCenter の認証サービス「vCenter Single Sign-On」 にリダイレクトされます。

以前のバージョン(~ vSphere 5.5)では TCP 9443 番ポートが使用されていましたが、

vSphere 6.0 からは一般的な HTTPS の TCP 443 番 ポートでアクセス可能になりました。

web-client-01.png

 

vSphere Web Client はこのような画面です。

web-client-02.png

 

VMware Host Client

 

ESXi 6.0 Update 2 から製品サポートれる、ESXi 内蔵の Web UI です。

ESXi に接続できます。ESXi 自身にインストールされているので、vCenter には接続できません。

この Web Client では、Adobe Flash Player が不要です。

 

正式な製品としてサポートされていて、製品マニュアルも公開されています。

VMware Host Client のドキュメント

 

また、「ESXi Embedded Host Client」 という名前で

以前の ESXi でも使用できる インストールモジュール(VIB ファイル)も提供されています。

ただしこちらは正式な製品サポート対象外です。

ESXi Embedded Host Client

 

以前こんな投稿をしてみました。こちらもどうぞ・・・

ESXi Embedded Host Client が公開されました。

ESXi 6.0 U2 で Host Client がデフォルトで使用可能になりました。

 

ログイン画面は、vSphere Web Client と似た雰囲気です。

host-client-01.png


Host Client はこのような画面です。

host-client-02.png

 

vSphere HTML5 Web Client

 

まだ、製品サポート対象外の Technical Preview として Fling で提供されているものです。

vCenter に接続でき、ESXi には接続できません。

この Web Client では、Adobe Flash Player が不要です。


HTML5 Client は、仮想アプライアンスとして提供されています。

vSphere HTML5 Web Client

 

ログイン画面は、vSphere Web Client と同様に、

vCenter Single Sign-On の画面にリダイレクトされます。

html5-client-01.png


HTML5 Web Client はこのような画面になります。

少し前は「参照専用 Web Client」みたいな感じでしたが、頻繁にアップデートされて

急速に vSphere Web Client に近づいている感じがします。

この環境は vCenter 2台の拡張リンクモードなのですが、両方の vCenter がちゃんと表示されています。


ちなみにこの画面は、バージョン 1.16 (仮想アプライアンスは h5ngcVA-1.16.0-4172537_OVF10.ova)を

デプロイしてみたものです。

html5-client-02.png


今後、HTML5 Web Client が正式サポートされるようになれば、Adobe Flash Player が不要になるので

Linux などからでも vSphere 環境が管理しやすくなると思われます。

 

以上、vSphere Client の終了と、現状の主要 GUI についての話でした。